産業看護師として採用されるために必要な臨床経験はどのくらい？

産業看護師に求められる臨床経験というのは、採用する企業によっても差があると言えます。中には新卒や、臨床経験がまったくなくても構わないという、企業などもあります。しかし産業看護師は人気の高い職種となっているため、募集が出されれば応募が殺到するということを考慮すると、やはりある程度病院などでの勤務経験がある方が、有利になると言えるでしょう。

また産業看護師は基本的に1人しか設置しないという企業が多いため、すべてを1人でこなさなくてはならいということを考慮しても、臨床経験がある方が、自身にとっても不安が少ないと言えます。とくに病気やケガで医務室を訪れる従業員に対する緊急処置などには、的確な判断が求められることとなります。場合によっては、救急車の要請も判断しなくてはなりません。また工場などで事故が起こった際には、1度に多くの負傷者に対応することが必要となることもあります。自分が頼られる存在であり、周囲に相談できる相手は誰もいないため、臨床経験は重要になってくることでしょう。

産業看護師の職場といっても幅が広いため、自分が希望する企業や工場の職場環境などは、事前に調べておくことが大事だと言えます。職場環境を考慮した上で、自身の臨床経験がその職場に適しているかを、判断するということが大切です。

また看護師のほか、第一種衛生管理者免許や保健師の資格も保有していると、採用には有利となる傾向があります。近年では従業員のココロのケアに力を入れる企業などが増えているため、そういった場所では、保健師の資格をアピールすると有利となるでしょう。

しかしたとえ新卒で病院などでの経験がなかったとしても、働きながら学び、経験を積むことができるというのも、産業看護師の特徴となります。企業の方針によって仕事内容は異なるため、ある意味ではなんの経験もない方が、固定観念もなく順応しやすいとも言えます。企業によっては固定観念がないことを望んで、あえて新卒を採用するといったところなどもあります。