産業看護師に必要な資格やスキル
一般企業などの医務室や健康管理室で働く産業看護師(産業保健師)。大企業など、社員を多く抱える企業では社内に医務室を設け、看護師や保健師を配置するようになっていることなどから、産業看護師(産業保健師)として活躍している看護師(保健師)もとても多くなってきているようです。
しかし、まだまだ求人の数が少なかったり、そのため倍率が高かったりというのが実際の求人状況です。
そのような狭き門といわれるような産業看護師(産業保健師)になるにあたって、もしくは目指すにあたって…どのような資格やスキルを持っておくとよいのでしょうか。
看護師の免許のみを持っているより、保健師の資格も合わせて持っている方が求人の幅も増え、採用の面でも有利なのでは?と思っている方も多いかもしれませんが、実際はそうではありません。
確かに、産業看護師(産業保健師)の業務は、社員の健康管理・増進や健康相談、メンタルヘルスケアや病気の予防というようなものが主になり、また特定保健指導が始まったこともあるため、医療行為の補助活動を基本として行う看護師よりも、公衆衛生看護活動を基本として行うという保健師を求める企業が多いことも事実です。
しかし、企業の業種や意向によっては「看護師として働いた経験がある人材を確保したい」というケースもかなり多いので、一概に保健師資格者が有利とは言い切れないのです。
■保健師より看護師を積極的に採用する企業の例
- ケガの発生頻度が高い工場系企業
- すでに労働安全衛生業務専従の産業保健師がいる企業(ケガや病気への対応を看護師に任せる)
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この転職サイトを利用する際も、気になる求人を見つけたときに「その企業がどんな産業看護職員を求めているのか」ということをコンサルタントに情報提供してもらいながら、求人探し・採用対策を進めていきましょう。
ほとんどすべての企業で社員の健康管理情報を管理するためにパソコンのExcelという表計算ソフトを使用されています。また、企画書の作成などにはWordという文書作成ソフトを使用されます。
産業看護師として働く場合、データ入力や文書作成は基本業務の1つになるので、このWordとExcelの操作ができる方は採用の段階でもよいアピールポイントになります。
しかし、産業看護師としての業務のなかでは高度な操作をすることはないので、初級レベルの操作方法だけ覚えておいて、必要に応じて操作方法を学んでいけば問題ありません。
持っておくとなおよい資格としては、産業カウンセラーや心理相談員、衛生管理者の資格などがあげられます。実際に企業に就職してから資格を取得するという事例も多くあるようですが、採用時に何か一つでも資格をすでに持っていると強みになりますし、仕事でも役立ちます。
また、独立行政法人労働者健康福祉機構で設置している地域の産業保健推進センターでは、産業保健に関する専門的な研修・セミナーが実施されています。実践的な内容も多いようですので、イメージも湧きやすく産業看護師(産業保健師)を目指している方にはとても良い学びになると思います。
すでに産業看護師(産業保健師)として活躍している方だけではなく、まだ企業に就職していない方も参加しているので、その点ではグッと行きやすくなりますね。産業看護師(産業保健師)の求人が見つけられた時に備えて、知識を身につけておくととても良いスキルになると思います。
産業看護師としてスキルアップするためにおすすめの資格
※産業看護師として働き始めたあとに取得できる資格です。
産業看護師として専門性を高め、スキルアップやキャリアアップをする方法として最も有効なのが「登録産業看護師」の資格を修得することです。「この資格がないと産業看護師になれない」と思っている方が多いですが、それは間違いです。この資格を取得するためには、むしろ産業看護師としての実務経験が必要になります。
■資格の取得方法
日本産業衛生学会産業看護部会の登録産業看護師となるには、産業看護の実務経験を2年以上行い、かつ第一種衛生管理者の資格を取得する必要があります。
その上で「産業看護講座Nコース」「産業看護講座基礎コース」と呼ばれる専門の教育課程を修了し、その上で産業看護師としての登録を申請します。所定の教育課程を受けたことを証明できれば、特に試験などに合格を取る必要はありません。
登録産業看護師の資格は、特に取得をしなくても勤務に支障はありません。ですが、その後のキャリアプランとして長く産業看護師を続けたいと思う人が、その専門性を高めるために自ら取得をするということが多いようです。