産業看護師の役割「過重労働対策」
私たちが長時間働き続けると、疲労がたまってきます。ここで自主的に休みを取れる人はいいのですが、そうではない人ほど、過重労働を長期間続けてしまいがちになります。実は、過重労働による疲労の蓄積が原因で、脳疾患や心臓疾患を発症してしまうケースがあることが、知られています。企業としては、そのような過重労働をしなくても良い環境を整える必要がありますし、過重労働をしている従業員にはなんらかのケアを行う必要があります。
国としても、平成18年「過重労働による健康障害を防止するための総合対策について」という通達を出し(平成14年「過重労働による健康障害防止のための総合対策」を見直したもの)、日本で過労死が減少しないということを重く見ています。この通達では、1か月の時間外労働や休日出勤の時間が45時間を超える従業員で、健康への配慮が必要と認められる人は、医師による面接が受けられる体制をとることが望ましいこと、月に100時間を超えて時間外労働や休日出勤を行っている従業員には、申し出があった場合には医師による面接指導を実施しなければいけないことが定められました。
産業看護師は、こういった制度の対象となる従業員がいないかどうか、日々のチェックを怠らないようにすることが大切です。もしも医師と従業員の面接が必要な場合にはその調整、そして本人だけではなく上司などを含む職場への面接や事後指導などを行うことが、必要になります。